2010年11月28日

12年前の韓国。息子のストリートライブ

12年前の韓国。息子のストリートライブ

12年前の韓国ではテレビやラジオで日本の音楽を流す事は
実質禁止状態でした。

チャゲ&飛鳥が韓国で日本のアーチストとしては
初めてのコンサートを開いたとニュースで知り
日本の音楽がやっと解禁されたのだと思い
ストリートライブをやっていた息子にギターを持たせて
韓国に連れて行ったのです。

韓国唯一の繁華街で有る、ミョンドン路上で
息子は、ギターを弾きながら歌いだしました。

道行く韓国の人達が、皆びっくりして立ち止まりました。
一人の日本人がいきなり日本語で歌いだしたので
びっくりしたのでしょう。
息子の後ろに回って譜面を覗き込む人も居ました。

僕は、心配なので、離れた所から息子を見ていました。
韓国では過去の歴史的な背景から
反日的な気持ちを持つ人が少なからず居ますので
何か有ったら、飛んで行く気持ちでした。

しばらく経つと、僕の心配は杞憂で有る事を悟りました。
息子の周りには、どんどん人が集まって来て
息子の歌に熱心に聴き入ってくれています。
一曲歌い終わる事に、盛大な拍手です。
彼のギターケースには韓国のお金の
ウオンがどんどん貯まって行きます。

そんな聴衆の中で一人の若者がずっと聴き入ってくれています。
休憩を挟んで次のライブでも、ずっと居てくれています。
息子の動静に安心した僕は、気疲れも有って
タバコを吹かしながら、ぼーっとしていました。

そしたら、息子が嬉しそうな声で
「お父さん、彼が僕にマクドナルドとコーラを差し入れしてくれたんだ」
息子の服装は、見ての通りで、当時流行っていた
ダメージジーンスを履いていたので、可哀想に思ったと
後日言っていました(笑

僕は息子と彼の元に駆け寄って行って、お礼を言いました。
そして、彼を食事に誘いました。
彼はJINO君と言い、大学生でした。
彼は翌日も息子のライブを聴きに来てくれました。
彼が言うのは、日本人が日本語でストリートライブをするのは
恐らく彼が最初ではないかと言う事でした。

僕は仕事を済ませて先に日本に帰る事になっていたので
彼に、息子の事をお願いして日本に帰りました。

何と彼は、息子を自分の家に泊めてくれたり
自分の大学に息子を連れて行ってライブをさせたり
ユネスコのイベントに出演したりと
息子の事を親身になって尽くしてくれました。

日本に先に帰った僕にも毎日のようにメールで
息子の事を知らせてくれました。
彼は英文科の学生なので、僕は英訳ソフトを使って
彼とメールのやりとりをしました。
この事をきっかけにして、彼と僕との12年来の友情が始まったのです。
このお話の続きは次回に。



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Posted by goyaman at 04:33│Comments(4)音楽
この記事へのコメント
おお!
韓国での日本人ストリートライブのパイオニアですね
そこから友情が生まれる、新たな出会いを生み出す
音楽には国境は無いと言うのを実戦されてるんですね
政治的背景からこの国の歌は聴くな歌うななんねのは
ナンセンスな話ですよね。
良い話です、続編を楽しみにしてますよ。
Posted by HiDE at 2010年11月29日 06:02
HiDEさん、あの頃の僕は、親として怖いもの知らずだったのです(笑
タイミング的に、韓国の日本との間に問題が無かったから良かったのです。
それが竹島の問題とか、従軍慰安婦の問題とかが騒がれたら
ちょっとした騒動が有ったのかも知れません。

息子も僕も、音楽をやっていたからこそ
韓国のJINO君のような、素晴らしい若者と知り合ったのです。
彼とは、メールで壮絶な議論もしました。
だからこそ、仲が良いのです。
続編楽しみにしてて下さいね。
Posted by goyamangoyaman at 2010年11月29日 10:53
心が熱くなる話しをありがとうございます。
自分が路上でやってた頃の記憶が
蘇ってきました。
まだまだやれる気がしてきました!
Posted by k@zz at 2010年12月01日 08:16
k@zzさん、ぜひ路上ライブ復活して下さい!!
この頃のk@zzさんは、仕事の疲れも有ると思いますが
ちょっと怒りっぽくなっているような気がします。
やはりミュージシャンなのですから
皆の前で歌わなくなった事で
心のもやもやが大きくなっていると思います。
路上は目の前ですよ。
惚れぬいた相棒のHD-28Vを持って行きましょう。
心斎橋の恵比寿橋あたりでしたら
僕も見に行けますよ。
Posted by goyamangoyaman at 2010年12月01日 10:11
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